漢方治療を希望される方へ
漢方治療を希望される方は、あらかじめ漢方の問診票を印刷して記入して持参して頂けると、受付で円滑に手続きができます。土曜日(特に午前中)は十分に問診する時間がとれない場合が多いので、可能なら平日の受診をお勧めします。
皮膚疾患の漢方(中医学)
当院では漢方のエキス剤を用いた保険診療を行っています。
身体の内部の問題によって皮膚症状が生じている場合には、ただステロイド軟膏などを塗って炎症を無理やり抑え込んでも、塗るのを止めると再発します。そのような場合、漢方薬で身体全体の調和を回復すると皮膚症状が改善することがよくあります。
漢方治療は、身体がバランスを取り戻す手助けをします。
現代医学のように、強制的に問題を解消しようとするものではなく、身体が本来持っている自然治癒力を後押ししようとするものです。
どんな治療にも限界はありますが、通常の治療でうまく行かない場合には、漢方治療を試みるのも選択肢の1つです。以前飲んだ漢方が効かなかったという方も、再度挑戦する意味はあります。疾患のとらえ方が異なると、それに対する処方も変わってくるからです。
漢方の効果が期待できる疾患
様々な皮膚病に漢方が有効ですが、以下の疾患で漢方が著効したケースを経験しています(もちろん効果には個人差があります)
・湿疹・かぶれ・脂漏性皮膚炎・痒疹・アトピー性皮膚炎
・酒さ・赤ら顔
・乾燥肌・皮膚のかゆみ
・にきび
・しもやけ
・乾癬
・掌蹠膿疱症
・じんましん
・円形脱毛症
・スイート病・慢性色素性紫斑・水疱症・ベーチェット病・結節性紅斑
・もろい爪・二枚爪・爪甲剝離症などの爪の問題
養生の大切さ
ただ薬を飲むだけで、魔法のように慢性病がよくなるわけではありません。
食事や生活の習慣を改善するなど、ご自身も治療に積極的に関わる必要があります。
近年ではサラダ油などの炎症を悪化させる油(ω-6といわれるもの)やトランス脂肪酸を減らして、亜麻仁油、エゴマ油など、炎症を抑える働きをする油(ω-3, EPA,DHAなどと言われるものです)を摂取することの重要性が再認識されています。
チョコレートやココア、ナッツなどに多く含まれるニッケルやクロムなどの金属が湿疹の悪化に、大きく関係していることがあります。
亜鉛の不足が脱毛症や湿疹の悪化因子になることも知られています。
運動して代謝を活発にすることで老廃物が減り、冷えがとれます。
昔からよく言われていることですが・・・
● 暴飲暴食を控えて、腹八分目にしましょう。
● あっさりした和食を中心にして、肉よりも魚、パンよりも米をとりましょう。
● 野菜を多めにしてバランス良い食事を心がけましょう。
● 炭酸飲料やアイスクリームなど、甘い物を極力控えましょう。
● 乳製品も取りすぎに注意しましょう。
● ファーストフードやスナックを控えましょう。
● 夜更かしはやめて、十分な睡眠を確保しましょう。
● 身体を動かして代謝を活発にしましょう。